弊害だらけ?縦割り行政とは何?例を挙げて超わかりやすく簡単に解説!

政治

菅内閣にて、改革が大きなトピックになっていますが、その中でも出てくる事が多いのが「縦割り行政」という言葉。

何となく聴いた事はあるけど、しっかりと理解していないという方も少なく無いのではないでしょうか。

なので、この記事では

  • 縦割り行政の概要
  • 縦割り行政にはどんな例がある?
  • 縦割り行政と菅内閣

と言った点について、簡単にわかりやすくご紹介していきたいと思います。

わかりやすく解説・縦割り行政とは何か

現在、問題になっている縦割り行政について、その基本的な事をわかりやすくご紹介していきたいと思います。

縦割り自体が悪い訳ではない?縦割り行政とは

縦割り行政という言葉は、使われる場所によって若干ニュアンスが異なる事が多いです。

現状の行政システムを単に表すために縦割り行政という言葉が使われる事があったり。

現状の行政システムの非効率な部分・不便な部分に対して、縦割りで構成されている組織形態を皮肉る意味で、縦割り行政という言葉が利用される事があります。

どちらかと言うと、昨今では行政に対して不満を述べる際に、後者の意味で縦割り行政という言葉が使われる事が多いでしょう。

しかし、具体的に縦割り行政とはどういう事?と聞かれると、何となくマイナスなイメージがあったり、不便なイメージがある方は多いと思いますが、具体的に何?と聞かれると答えに詰まってしまう事もあると思います。

そもそもの部分ではありますが、現状の行政システムは縦割りと言える仕組みになっており、行政組織に限らず、大きい組織というのは基本的に縦割りで構成されています。

小さな企業であれば、分野別に「経理」「総務」「営業」「製造」なんて言う風に分ける必要はありませんよね。

1~3人程度で回されている組織の場合は、一般的に1人が様々な分野に関わっている事が多く、役割分担がされている事はあまり見られないケースだと思います。

一方で規模が数十人~数百人、数千人と言った規模になってくると、社長・役員と言ったトップに連なって、「営業」「経理」「総務」と言ったように、各部署が出来るのが一般的です。

大きな組織では上記のような役割分担を行わないと、様々な所で不具合が出てくるのは想像に難くないと思います。

省庁と言った国の中枢を担うような巨大な組織でも、同様の事が言え、政府というトップを置いて、

  • 財務省
  • 防衛省
  • 総務省
  • 国土交通省
  • 厚生労働省
  • 文部科学省

と言った役割分担を行う必要があるのです。

このように役割に従って、一つ一つが独立している事から、縦割りと言われています。

問題は横串による調整

上記のように大きな組織では、縦割りでしっかりと役割分担を行うというのは必要不可欠な要素となっており、縦割りで区切られている事自体が悪い事ではありません。

むしろ、必要不可欠であると言えるでしょう。

今、問題となっているのは各省庁が独立しすぎており、実際に課題を解決する際に上手く機能しないようになっている事が要因です。

世の中で何か問題が起こった時、何かをしたいと思ったときには、一般的に様々な省庁が管轄となっているような領域に踏み込むが事が多いです。

例えば、自民党の藤井ひさゆき氏のWEBで以下のような問題が取り上げられており、

神戸ビーフは、輸出に当たっては、兵庫県内に認定された屠畜場及び食肉処理場が存在しないことから、鹿児島県まで持っていって、但馬牛を陸送をして、鹿児島県で屠畜及び食肉処理を行わねばなりませんでした。これは長距離輸送でコストも高くなりますし、但馬牛自身が疲れる、体重が減少する、ストレスで肉質が落ちるという問題が指摘されてきました。

〈中略〉

輸出をせなあかんという農水省と、食品管理をしっかりせなあかんという厚生労働省と、それぞれのはざまに立って、それぞれ省の行政目的が違いますから、そういうので問題が起きたと承知しておりますけれど

藤井ひさゆきブログ

 

これは「衛生管理を行う厚生労働省」「輸出を広めたい・支援したい農林水産省」が干渉しあっている例であると言えるでしょう。

ここで重要なのは「調整を行う力・組織作り」です。

上記のケースでは行政のトップである政府が解決したようですが、上記のような全ての問題に政府が一つ一つ解決していくわけにもいきません。

干渉しあっている省庁間の役割を、うまい具合に調整してまとめると力ですね。

これが、日本の行政組織・システムにおいて弱い部分であると言われており、縦割り行政による弊害が指摘される要因になっている訳です。

この調整を行うという部分については、縦割りに反して「横串」なんて言ったりします。

縦で並んでいる省庁を、横からさしていくイメージでしょう。

すごく的を得ている表現だと思います。

戦時中の縦割り行政

この縦割り行政というのは今に始まったものではありません。

戦時中にも縦割り行政の弊害というのは存在していたと見られています。

ご存知の方も多いと思いますが、海軍・陸軍の対立は縦割り行政の例として紹介される事が多いのです。

海軍・陸軍が同じものを別々に購入(支払う)したりする等、ちょこちょこと小競り合いをして、非効率な事を行っている事例が記録されています。

今では防衛省という1つの括りがある訳ですが、日本が激動の変化を見せた明治に「陸軍省」「海軍省」という2つの省が出来た事が組織として対立した要因となっています。(根本には長州・薩摩の小競り合いがあった)

世界的にも、海軍・陸軍が対立して予算を取り合い、対立構造によって非効率な行動を取ってしまったという事例はあります。

このような事からWW2以降は防衛省のようにしっかりと両者をまとめるとトップを置くような組織編成に変更されるのがトレンドになりました。

(諸説あり)

タラレバの話にはなりますが、腹の中では対立意識があっても、組織としてまとまっている・もしくは調整役がいれば、陸軍省・海軍省のような非効率な事例は発生しなかったかもしれません。

 

 

 

 

 

どんなものがある?簡単な例を出すと

次に、縦割り行政が具体的にどんなものなのか?という点を探るために簡単に理解しやすい身近な例を出しながら、ご紹介したいと思います。

保育所と幼稚園は管轄違い!

幼保一元化という言葉を聞いた事がある方も少なくないはずです。

幼保一元化というのは、「子供を一定時間預かる」という点においては同じようなサービスを提供している幼稚園・保育園を統一しようという政策の事であり、90年代あたりから必要性が唱えられてきたものです。

そもそも論ですが、細かな違いはあるものの同じようなサービスを提供している「幼稚園」「保育園(法律上では保育所)」という事業のトップになっている組織は異なっています。

幼稚園は「文部科学省」、保育園は「厚生労働省」が管轄になっている仕組みです。

これにより、様々な弊害が出ており、同じようなサービスを提供する場所なのに幼稚園教諭と保育士の「免許」は異なっています。

つまり、保育園の先生が幼稚園で勤務をしようとすると、新たに幼稚園用の免許が必要になるという事です。

(現在では両方の免許を取得できるようなプログラムもあるが、そもそもそれ自体が非効率)

これは管轄となっている省庁が異なる事から、免許の根拠となっている法律も異なっているので、両方の免許が必要になってくるのです。

もちろん、そもそも幼稚園・保育園が出来た経緯が異なりますし、法律自体も異なることから、若干免許を取るための内容が異なったりはしています。

が、免許を取るまでに必要とされる能力的にはそれほど大差は無いでしょうし、そもそもサービス自体は似似ていますよね。

その事を考慮すると、根拠となる法律を整理し、これからの学生については免許を統合した方が効率的では無いでしょうか。

方法論は色々とあるでしょうけど、法律・免許が違う、省庁が異なるというのは、一般人の感覚からしても違和感のあるものですよね。

(設立された経緯の違い・ニーズの違い等から幼保一元化の問題点・反対意見が存在しているのも事実です。)

東日本大震災でも縦割り行政の弊害が

平時なら縦割り行政のあれど、非常時ならさすがに連携するでしょ?と感じてしまいますが、縦割り行政の弊害は災害時にも出ていました。

(今回は東日本大震災を例に出します)

自衛隊が病床を確保できるような装備がありながら、各省庁の連携が取れず、結局支援物資を届けるに留まったり、復興に際して住民・自治体からの要望があっても各省庁の管轄が被っていて、柔軟な対応が出来なかったり・・・

災害となると、省庁の管轄が被りまくるような事案がたくさん出てくるので、縦割り行政の弊害は当然たくさん出てきます。

特に原発に関しては、縦割り行政の塊とも言える存在でした。

大きな枠組みとしては、経済産業省の管轄となっていますが、原発に関してはその他にもほぼ全ての省庁が何らかの形で関わっています。

これにより、原発が出来て経緯を遡ってみても、作る・運用・廃炉と言った一つ一つの順序で、異なった省庁の確認が必要になっていたのです。

これは原発事故後にも同様の事が言え、原発事故後の対応(SPEEDIの公開を巡るひと悶着等)では各省庁の連携が上手く取れていない事例がいくつか見られました。

非常時では、ダイレクトに命に関わる事案が発生する訳ですから、非常時くらいはしっかりと連携して頂きたいですね。

縦割り行政を克服して、復興を加速させるために復興庁を創設したものの、まだ縦割り行政の弊害は存在しているという指摘がちょこちょことあります。

縦割り行政で本領を発揮できないマイナンバー

マイナンバーは縦割り行政を打破する1つの武器として期待されていましたが、結局は縦割り行政によって上手く活用が進んでいない現状があります。

マイナンバーほど、縦割り行政の割を食う制度は珍しく、個人の番号と様々なものを紐付けて行くわけですから、ものによって省庁の管轄が異なります。

例を挙げると「戸籍関連 (法務省)」「住民票(総務省)」「パスポート(外務省)」「税金関連(国税庁、財務省)」「銀行口座(金融庁,財務省)」といった情報をマイナンバーと結びつけるといったような感じです。

今でも、マイナンバーカードを利用すれば、便利な例はいくつかあります。

が、しかしフル活用されていないのが実情であると言えるでしょう。(年々便利になりつつあります)

このあたりは、特別定額給付金のくだりで実感された方も多いと思います。

もしも大半の国民がマイナンバーカードを保有していれば、もっと容易に・迅速に・低コストで給付出来たでしょう。

(そもそも便利じゃないから、みんなが利用していないのですが)

マイナンバーがこのように微妙な存在となってしまったのは、マイナンバーと紐付けるもの・利用できそうなものにおいて、管轄している省庁間による反対・調整が困難だった事も1つの要因であると言われています。

マイナンバーは縦割り行政を壊す要素と期待されていましたが、そもそもの縦割り行政を是正しない限り、マイナンバー・マイナンバーカードが便利になって、国民が利用するような社会は到来しなさそうですね。

 

 

 

 

 

 

弊害だらけの縦割りを菅内閣で改革出来るか

最後に、縦割り行政の改革を期待されている菅内閣について、ふれていきたいと思います。

縦割り110番なんてものを河野太郎氏が自身のWEB最問に設置して、話題になっています。

なんだか、改革という言葉がバンバン出てきているので、縦割り行政の弊害も改革で是正してくれそうな雰囲気がありますよね。

元々、保守的で硬そうに見える菅氏ですが、それはあくまで官房長官としての顔。

つは、元々、地方分権改革を目指して国政を志したバリバリの改革派が菅氏なのです。

縦割り行政の弊害を除去できるのか、半年後にはなかったのことにされているのか。

菅氏を筆頭に、河野太郎氏、デジタル改革相の平井卓也氏には注目していきたいところです。

 

 

 

 

縦割り行政についてまとめ

今回は、縦割り行政について

  • 大きな組織であれば、縦割り行政はある意味当たり前
  • 縦割り行政に弊害があるの事実
  • 調整力が足りない
  • 縦割り行政の弊害が出た事例はいくつもある

と言った点についてご紹介させて頂きました。

現状の完全な縦割りによる行政はある意味、すごく日本的なシステム?というか、ある意味日本人にあっている形ではあると思います。

しかし、時代の変化が加速度的に進む現代では、課題解決において柔軟に対応出来るような横串をさした組織編成が必要不可欠になっていると思いますね。

 

 

 

 

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