日本がステンレス関税で韓国に勝訴!WTO協定違反に罰則はあるのか?

政治

何かと揉めがちな日韓関係ですが、ステンレス棒鋼における反ダンピング紛争で、日本が勝訴したというニュースが入ってきました。

日本にとっては嬉しいニュースですが、これからどうなるのか?罰則は?という点が気になる所ですね。

この記事では、日韓におけるステンレス棒鋼の反ダンピング紛争でチェックしたい

  • ステンレス棒鋼で勝訴した日韓紛争の概要
  • WTOの紛争解決の流れ
  • 罰則は存在しているのか?

という点について詳しく触れています。

ステンレス棒鋼の反ダンピングで韓国に勝訴

まず、はじめに今回の日本と韓国が対立するに至った原因や流れについてご紹介していきます。

紛争の概要を振り返る

結論から簡単にまとめると、11月30日に日本の勝訴が決まった日韓の紛争というのは「ステンレス棒鋼における反ダンピング課税延長の是非」について争っていました。

なんだか難しい言葉が並んでいるため、一つ一つ分解してご紹介すると、「ステンレス棒鋼」というのは韓国が日本の製品に対して関税を上げていてた輸出品の事です。

もともと、韓国における日本製のステンレス棒鋼のシェア率は非常に高く、2002年には韓国国内におけるシェアが「51%」に達していました。

ステンレス棒鋼は自動車や機械に使われるバルブの事で、非常に重要な部品となっています。

日本製のステンレス棒鋼に対して、韓国は2004年に日本のステンレス棒鋼が安すぎる(不当に)として、課税を実行。

韓国は、平成16年7月30日から、日本製ステンレス棒鋼に対するアンチ・ダンピング課税(以下、「本アンチ・ダンピング課税措置」といいます。)を開始し、2回の課税延長を経て、平成28年6月から平成29年6月にかけて行われた3回目のサンセット・レビューで、3年間の課税延長を決定しました

 

経済産業省

なんとこの課税を3回に渡って延長し、直近の日本のシェアは11%まで落ちる事に・・・

文面だけだとWTOの方針と反するものに感じられますよね。

ただ、WTOはある一定の条件をクリアをした場合、今回問題になっているような措置を認めています。

これを「アンチ・ダンピング(反ダンピング)措置」と行って、WTO協定の中に組み込まれています。

その条件というのは、主に

  • 「ダンピング輸出の有無(不当に安くしているか)」
  • 「産業に影響が出ているか」
  • 「上記した2つの因果関係」

といった3つが認められる場合に限られています。

ダンピングとは?

採算度外視で、安くうる事。

貿易においてはダンピング輸出といって、相手国に自国よりも、不当に安い価格で売る事等を指している事が多い。

3つの基準については、非常に細かく決められており、経済産業省のページでも認めれている事が記載されています。

  • AD(アンチダンピング)措置とは、輸出国の国内価格よりも低い価格による輸出(ダンピング輸出)が、輸入国(日本)の国内産業に被害を与えている場合に、その価格差を相殺する関税を賦課できる措置のことです。この措置は、WTO協定(GATT・AD協定)において認められているものです。経済産業省

今回の紛争解決プロセスにおいては、韓国の日本製ステンレス棒鋼に対する反ダンピング措置は、協定違反と認められた事になります。

つまり、韓国は不当に課税したと認められたという事ですね。

まだ、上訴の可能性もあるが

ただ、2020年11月30日のWTOにおける決定は、まだ確定したかと言われるとそうではありません。

韓国が仮に「この決定は納得できない!」と主張した場合は、上訴する事が可能です。

上訴した場合は、上級委員会で調査が行われる事になり、より慎重なプロセスで、対応が検討される訳です。

ちなみに今回、日本が勝訴したのはパネル(小委員会)における決定です。

ただ、上級委員会はアメリカとWTOが、揉めてしまっている影響で現在は、委員が十分な状態ではありません。

この事により、現在は上級委員会は停止状態となっています。

そのため、韓国が上訴した場合は解決まで難航が予想されます。

 

 

 

 

WTO協定違反における罰則はあるのか?今後の流れ

一般的にルールを破れば、罰則や制裁を行うのが国際社会の常識ですよね。

今回のWTO協定違反によるそのような措置は存在しているのか?という点についてご紹介していきたいと思います。

紛争解決までの道のり

結論からご紹介すると、罰則?ペナルティ?といえるようなものはあるものの、そこに至るまでにはかなり長い道のりがあります。

そのため、実際に紛争が発生してから、解決するまでを簡単にまとめたいと思います。

今回の反ダンピング措置のような揉め事においては、WTO協定に「紛争解決に係る規則及び手続に関する了解」というルールがあります。

一般的に「DSU」と表現される協定の一部の事で、「揉めたらこういう感じで解決してね」という事が決めれている事になります。

簡単な解決までのロードマップは以下のようになっており、

  • まずは話し合い(協議)
  • 小委員会(パネル)
  • 上級委員会で決着

3つにまとめると、非常に簡単ですが、揉めに揉め両者が譲らない場合、最後の決着に至るまで非常に長いプロセスが必要になります。

パネルだけでも、こんなプロセスを踏みます。

  • パネルを設置
  • パネルのメンバーを構成
  • 互いに主張を提出
  • パネルの会議を何度行う
  • 中間報告書を発表
  • 最終的な報告を行う← 日韓は今ココ

超めんどくさい訳です。

上記したように超長いプロセスがあるので、一番はじめのプロセスである「協議」で解決しちゃうなんて事も多いです。

最後の警告(勧告)

上記したようなプロセスを得ても解決しないとなると、やはり第三者を挟んだ状態で、何らかのアクションを行う必要がありますよね。

上級委員会における最後の2つのプロセスには「勧告」と「対抗処置」というものがあります。

勧告というのは「もう決定した事だから、ちゃんと言ったとおりにしてね」という最後通告のようなものです。

もしも、履行するまでに時間が掛かるまでは、妥当な期間が設けられる事があります。

この妥当な期間というのは、両方の国の協議で決めることも可能です。(今回の件なら日韓)

もしも、このような協議で解決しないなら、上級委員会の最終的な決定があってから90日以内に、様々な事情を考慮した上に、「妥当な期間」というのが決定される事になります。

やり返し!事実上の罰則?

もしも、訴えられている側が勧告にも従わなかった場合、最終手段として、やり返しが認めれています。

具体的には「譲許の停止」等を行う事が可能です。

(譲許とは、貿易している国同士で協議をして結果、これ以上は上げませんという約束の事」

WTOの紛争解決を行う機関から許可をもらう必要がありますが、勧告における妥当な期間内で、履行されなかった場合に発動する事が可能です。

訴えた側としては、これだけの長いプロセスを経て、なおかつ勧告にも従わないという往生際の悪さから

「倍返しだ」

なんて事をしたい所ですが、対抗処置についてはかなり限定的な範囲に限られています。

譲許の停止の範囲は、一般的に同じような輸入品、もしくは同一分野に限られます。

仮に、同じような分野に対抗できるものがない場合は(もしくは効果がない)、異なった分野での譲許も可能ですが、出来るだけ同じような分野に抑える事を求められます。

これを覆すにはそれなりのエビデンスが入ります。

これだけ長いプロセスを得ても、なんでもかんでも譲許取り消し!なんてことは出来ないのです。

今回の日韓のステンレス棒鋼においては、既に日本製のシェアが大きく下がっているわけですし、裁判のプロセスが長い事を考えると・・・

やり得、やったもん勝ち感が否めないかも・・・

 

 

 

まとめ

国際的な機関にはWTO以外にも存在しており、中でもWHOは最近話題になっていましたよね。

ある国に過度に忖度してるみたいな・・・

国が絡んでいる以上、様々な国の思惑が入り乱れることは仕方ない部分ではありますが、改革が必要な気も。

 

 

 

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